【厚生労働省が注意喚起】妊婦の周りの30歳以上の男性は風疹の予防接種を!

感染者が増加傾向に?風疹の症状とは?

風疹の感染者が急増中

国立感染症研究所によると、全国で2018年1月1日から8月29日までに観測された風疹の患者数は273人で、2013年の大流行後に年々減少していた患者数が再び増えてきていることが分かりました。また、2018年8月22日から29日までの間で89人の風疹患者が観測されたことから、ここ最近で特に流行が見られ、特に注意すべきことがわかります。
風疹の感染報告件数のグラフ

NIID国立感染症研究所の「風疹ウィルス分離・検出状況」から作成

風疹の症状

風疹は潜伏期間が比較的長く、14〜21日(平均16〜18 日)と言われています。この潜伏期間の後、発熱、発疹、リンパ節腫脹が顕れるようになります。リンパ節腫脹は特に耳介後部、後頭部、頚部に現れることが多いです。
子供の場合は、「みっかばしか(3日麻疹)」と呼ばれ、短期間で治まる場合が多いですが、成人の場合は、1週間程続く場合もあります。特に、妊婦さんが感染した場合は、おなかの中の赤ちゃん(胎児)が先天性風疹症候群を発症する確率が高く、この先天性風疹症候群は、心臓病、難聴、白内障などの重度の障害を起こす原因になります。また後述にもありますが、先天性風疹症候群は未だ治療法が見つかっていないために、妊婦の方が感染することを防ぐことが現状最大の予防となっています。
(NIID 国立感染症研究所より)

30歳以上の男性が風疹(風しん)の予防接種をするべき4つの理由

風疹の予防接種をするべき理由①:30歳以上は風疹の免疫がない人が多い

風疹のワクチンは、2回接種することが基本的とされています。今年28歳になる平成2年生まれ以降の人は、2回の予防接種を受けている可能性が高いのですが、それ以外の世代の人、特に30歳以上の男性はワクチンを必要分接種しておらず、風疹の免疫がない人が多いとされています。
以下は厚生労働省が発表した、世代別の風疹の予防接種・ワクチンの接種状況をもとに作成したチェックリストです。自分の年齢と照らし合わせ、予防状況を確認しましょう。

生年月日年齢(2018年10月8日現在)状況注意レベル
~昭和37年4月1日56歳~定期検診はまだ行われていないので、ワクチンの接種を受けている人は少ないでしょう。ただ、多くの人が自然に風疹に感染していたため、免疫を持っている確率が高いです。
昭和37年4月2日~昭和54年4月1日39~56歳当時中学生の女子のみを対象として学校で集団予防接種が行われていたため、女性の感染数は激減しました。ただ、男性は定期予防接種制度が行われていないために、風疹の免疫がない人が多いです。
昭和54年4月2日~昭和62年10月1日31~39歳この頃には男女ともに中学生の時に予防接種を受ける対象になりました。ただ、中学生の時に個々人で医療機関に行き、予防接種を受ける制度であったため、接種率は低く、風疹の免疫がない人が多いです。
昭和62年10月2日~平成2年4月1日28~31歳幼児の時に予防接種を受ける制度に変わったために予防接種の接種率は大幅に高まりました。ただ、自然に風疹にかかる機会がほとんどなくなったので、予防接種を受けていない人は風疹の免疫がないことが多いです。

厚生労働省より作成

風疹の予防接種をするべき理由②:感染者が気付かずに周りにうつしてしまうことも

風疹の潜伏期間は約16~18日(2~3週間)と比較的長いことに加え、感染者の15~30%が明らかな症状がないまま免疫ができてしまうことにより、感染した本人が風疹に感染したことに気づかないケースが多くあります。
そして、風疹はくしゃみや咳などの飛び散った唾による「飛沫感染(飛まつ感染)」するため、風疹に感染した人が気付かないままに同居している家族や、職場などに風疹のウィルスをまき散らしてしまう可能性があります。
また、近年中国や東南アジアで流行している風疹が日本でも流行しているため、渡航者を通じた感染であると考えられています。

  • 海外等で風しんが流行している地域へ出張することが多い職場
  • 海外等で風しんが流行している地域からの人材の受け入れの機会が多い職場

にお勤めの方は特に、国内外の風疹の流行状況を確認するととともに、予防接種を受けるようにしましょう。

風疹の予防接種をするべき理由③:先天性風疹症候群には治療法がない

免疫のない妊婦が風疹に感染することによって、胎児に感染する「先天性風疹症候群」は、現状まだそれ自体への治療法がありません。
そのため、妊娠を希望する女性は妊娠前に風疹の予防接種を受け、免疫を持っている状態で妊娠することが望ましいです。

風疹の予防接種をするべき理由④:妊婦さんは、風疹ワクチンは接種できない

妊娠中の女性は風疹のワクチンを受けることができません。そのため、免疫を持っていない、もしくは十分でない妊娠中の女性は自分自身で風疹から身を守るすべがありません。
妊婦の周りにいる家族や、職場の方は予防接種を受けたうえで、妊婦の方が外に出なくて済むように、不急不要の用は自分が代わるようにしましょう。

風疹の予防接種はいつ、どこで受けることができる?

妊娠中の奥さんがいる30歳以上の男性はなるべくすぐに抗体検査を!

現在は風疹の抗体を持っているかどうか判断するために、自治体で風疹抗体検査を行っています。
現状は一部自治体では無料で行っており、2019年4月以降から無料で提供される方針となっています。確認の上、必ず抗体検査に行くようにしましょう。

NHK NEWSより

抗体検査で風疹の免疫がなかった場合はすぐに予防接種を

妊娠中の女性以外は基本的にいつでも予防接種を受けることができます。妊娠中の方がまわりにいる人はすぐにお近くにの内科に問い合わせ、予防接種の予約をしましょう。いち早い対策、予防接種が妊婦の方とおなかの赤ちゃんを救います。
※現状は、風疹単体でのワクチンよりも、麻疹風疹の混合ワクチンである、「二種混合ワクチン」と呼ばれるワクチンが主流です。

お近くの内科に問い合わせてみましょう

風疹のワクチンを常時用意している医院とそうでない医院があります。急な来院ではワクチンを用意できないケースも多々あるので、事前にHP等を見て問い合わせをし、予防接種の予約をしましょう

風疹の抗体検査・予防接種を受けましょう!

先天性風疹症候群は大変な病気です。おなかの中の赤ちゃんが先天性風疹症候群にならないように、妊婦又は妊娠する可能性、又は希望する女性に接する又は周辺の男性は必ず風疹の予防接種を受けに行きましょう。
https://otokonokajiikuji.com/1007/

参考文献:
厚生労働省 (https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/vaccination/index.html)
NIID (https://www.niid.go.jp/niid/ja/)
風疹抗体検査(www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011654281000.html)