産後鬱の症状・原因・対策とは?奥さんの状態を確認するチェックリストも

皆さんも「産後鬱」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?また、うちのお母さん・ママももしかして・・・?と心配になっているお父さん・パパもいらっしゃると思います。今回は産後鬱の症状や原因、チェックリストをご紹介します。

そもそも産後鬱とは?【症状・原因も】

そもそも、産後鬱とはどのような病気なのでしょうか?

産後鬱とは:長期間悩まされる精神障害の一種

産後鬱とはその名の通り、出産後のママがうつ状態に陥ることをさし、産褥精神病という産後に現れる精神障害の一つです。実は産後鬱は7人に1人の割合で発症し、多くのママが経験しています。
産後鬱は初めての出産の際にだけ現れるのではなく、いずれの出産においても発症する可能性があるため、「うちは○人目だから大丈夫だろう」という安心はできないのです。産後鬱の症状は一般的には産後1ヶ月以内に発症しますが、中には産後2週間後など比較的早い段階から発症したり、産後数か月後に発症するというケースもあるようです。
産後鬱は適切なケア・治療がなされた場合は数か月~1年で回復することが多いとされています。また、産後鬱は出産後1年未満の母親の最も多い死因です。国立成育医療センターの調査によると、2016年までの二年間で産後鬱による女性の死亡者数は92人でした。このことからも、産後鬱のケアはママの命を救うためにとても大切なのです。
また、マタニティ・ブルーズ症候群という病気もありますが、産後鬱はこの病気とはまた異なるので気を付けましょう。マタニティ・ブルーズ症候群は出産によるホルモン分泌の変化が原因とされており、産後3日~10日に発症し、産後の女性の約25%~30%が経験するといわれています。
マタニティ・ブルーズ症候群でも産後鬱と類似する症状が出ますが、マタニティ・ブルーズ症候群の場合は一時的であり、数日から数週間で症状は治まります。ですが、中には産後鬱に繋がってしまうケースもあるため、マタニティ・ブルーズ症候群のママに対するケアも必要ですね。

産後鬱の原因:孤独感や罪悪感

産後鬱の原因はマタニティ・ブルーズ症候群とは違い、ホルモンバランスの変化だけが原因ではありません。出産後には、多くのママが体を十分に休める暇もなく子育てや家事に追われることとなります。特に初産の方は突然初めての子育てが始まり、常に不安でいっぱいでしょう。
特にパパや家族など周囲の支援を受けることができない場合、ママは一人で家事、育児に追われることとなり正しく言葉通り「忙殺」され、心身ともに疲れていってしまいます。また、一人ですべてを行うことでだれにも頼ることができないという孤独感が強まり、自分はとても不幸だといったように悲観的になりやすくなるのです。
またママはようやく出産したと思ったらすぐに家事だけではなく育児にも追われることとなり、育児や家事がうまくいかなくなることもあります。初産のママは特に自分が想像しているように動けない、どうすればよいのかわからないといったジレンマを強く感じるでしょう。そのようなジレンマから、育児や家事がうまくいかないのは自分が悪いのではないかと罪悪感を強く感じるようになります。
出産後は赤ちゃんへの授乳などで赤ちゃんをベースにママは動くことが多くなり、周囲からのサポートを得ることができないママの場合十分な睡眠をとることが難しくなってしまったり、不規則な生活リズムになってしまうことが多いでしょう。そのような睡眠不足生活リズムの乱れもうつ病の発症因子となってしまいます。

産後鬱の症状:様々な身体的・精神的症状

産後鬱では、他のうつ病と同様に精神的症状だけではなく身体的症状も見受けられます。精神的な症状としては、気分が落ち込みやすくなってしまったり、気分の浮き沈みが激しくなる、突然泣けてきてしまったり、イライラしてしまうというような症状が挙げられます。
また、自分は良いママではないと不安を感じるようになったり、集中力が続かないなどの症状も挙げられるでしょう。事例としては、気分が沈みすぎてしまい家事育児をする気力が起きなくなり、そのような自分を良いママではないと感じてしまい更に鬱のスパイラルに陥ってしまうというような事例が挙げられます。
身体的な症状としては食欲がなくなる場合や逆に過食気味になってしまう等の症状、ひどく疲れてしまい元気が出なくなってしまったり、不安などに押しつぶされて寝付けなくなってしまう等の症状も挙げられます。
育児家事を一人で乗り切らなくては!という状況に立たされているママや責任感が強いママは特にこのような産後鬱になりやすいと言われています。

実はパパも産後鬱になってしまうんです!

近年の欧米の研究により、実は産後鬱はママだけではなくパパもなってしまうことが判明しました。子供がいるパパのうち約10%が産後鬱を発症していると言われています。パパの場合は特に赤ちゃんが生後3~6ヶ月のころに産後鬱を発症しやすく、更にパパの年齢が若ければ若いほど、特に20代のパパにはそのリスクが高いといわれています。
パパの産後鬱の場合、原因はやはり女性と同様に周囲のサポートが十分でなかったり、家庭の経済状況、仕事との両立に関する悩みなどが挙げられます。また、ママがうつ病であったりパパ自身に精神疾患の病歴があるといった原因もあるようです。
子供が生まれて嬉しい反面、子育てや家事、そして仕事の不安などがあるのはママもパパも同じであるということが分かりますね。お互いにストレスが溜まりやすい時期だからこそ、互いを気遣う夫婦の絆の重要性が指摘されます。

産後鬱のチェックリストで奥さんの状態を確認しよう

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それでは産後鬱のチェックリストをご紹介します。うちの奥さんはもしかしたらという方も大丈夫だと感じている方もぜひチェックリストに目を通してみてください。

産後鬱のチェックリスト項目

産後鬱の主なチェック項目は以下の12つです。

・疲労感、不眠(疲れているのに眠れないなど)
・家事育児や母親として失格なのではないかという不安、緊張、パニック
・イライラしてしまう
・集中力や記憶力の低下
・気分の浮き沈みが激しい
・無気力になってしまう
・希望を持てない
・好きだったことや趣味に興味がなくなる
・自分を責める
・自分を情けなく思う
・食欲がなくなる/過食気味になる
・子供や夫に対して愛情を持てなくなる、子供が可愛いと思えない
またこのほかにも息切れやめまい涙もろくなるなどといった症状にも要注意です。

産後鬱のチェックリストの結果は

皆様の奥様はチェック項目にどれだけ当てはまったでしょうか。当てはまる数が少ないからといっても少しでも気になった項目は覚えておきましょう。また、多くあてはまるからといっても必ずしも奥様が産後鬱であるとは限りません。ですが、気になる点がある場合はそれをそのままにせず、奥様に聞いてみたり早めに心療内科などを受診することを強くお勧めします。
また、いきなり病院は・・・という場合は、周囲の相談できる方々に相談するもしくはかかりつけの産婦人科医にご相談するとよいでしょう。

参考資料
三重大学 母子精神保健研究グループ「産後のメンタルへルス」 http://pmh.jp/information/leaflet_mother.pdf
(最終閲覧日:2018年11月11日)

パパができる産後鬱の対策・対処法は?

産後鬱の対策・対処法①:積極的に家事育児を手伝い、サポート体制を整える

産後鬱は一人で家事育児をこなさなければいけないママ、つまり「ワンオペ」を強いられているママに多く見受けられます。また、住んでいる場所がママ・パパ双方の実家から遠く近所に親せきや友人などがいないという場合はママがより孤立しやすくなってしまうでしょう。
まずは、パパが積極的に家事育児を手伝い、ママ一人で頑張らせることのないようにしましょう。仕事が忙しくて・・・となかなか難しいパパもいらっしゃると思いますが、お皿洗いや自分の身の回りの掃除であったり準備などはできるはずです。過程全体の仕事が難しい場合はせめてご自分のことだけでもするようにして、ママの負担を減らしましょう。
また、ママと会話する・触れ合う時間の確保もとても大切です。誰かと話すだけでも気がまぎれますし、普段からコミュニケーションを取ることで些細な変化にも気づくことができます。
そして、できればご実家やご親戚からのサポートを受けることができる体制を整えるのが良いでしょう。常に連絡を取れるようにしておくことや、住まいを近くにするなどの工夫もママを一人にしないサポート体制を整えることには重要です。
仕事などの都合上、パパ・ママのご実家やご親戚を頼ることが難しいという場合もあるでしょう。その場合は掃除など家事であったり、子育てをベビーシッターや専門の業者に依頼することでもママの負担を減らすことができますので一度相談をしてみるとよいかもしれません。

産後鬱の対策・対処法②:他のママ、パパとの交流の機会を作る

家事育児に追われていると必然的に外に出る時間も減り、多くのママが家に引きこもりがちになってしまうでしょう。その様な状況に陥ってしまうと、なかなか他の人と話す機会も持てませんし、他のママとの交流の機会も作れません。
ですので、パパから積極的に他のママやパパとの交流の機会を作るようにしましょう。近年、様々な自治体が子育てママ・パパの交流会や交流カフェを開催しています。ぜひ、ご自身のお住まいの自治体でも行われているか調べてみてください。
他のママ・パパと交流することで育児や家事に対する悩みを共有することができ「これに悩んでいるのは私だけではないんだ」というような安心感を得ることができると期待できますし、様々な情報交換が行えたりママやパパ同士のサポート体制を作ることができる場合もあります。

産後鬱の対策・対処法③:相談窓口や医師への相談

産後鬱かな?と感じたら、早めに専門の相談窓口やかかりつけの産婦人科に相談ができるようにしておきましょう。そのような情報を夫婦で共有しておく、担当医との信頼を深めておくなどは産後鬱の予防にとても効果的であるといえます。
相談窓口としては、自治体の保健センターや精神保健福祉センターなどが挙げられます。また、心療内科を併設している産婦人科なども良いでしょう。勿論出産をしたところでなくとも産後鬱をきっかけに通院しても大丈夫です。
また、なかなか外に出ることができないなどの場合は
日本助産師会 全国子育て・女性健康支援センター
http://www.midwife.or.jp/general/supportcenter.html
日本保育協会 ママさん110番
http://www.nippo.or.jp/
森永乳業 エンゼル110番
http://www.angel110.jp/
といったような電話相談窓口の利用も検討してみてください。

産後鬱を正しく理解し、対策・対処をしましょう

産後鬱はママの命にもかかわるとても深刻な病です。パパ・ママそして周囲の人々の正しい理解が産後鬱の予防や正しい対処に繋がります。ぜひ、パパだけではなく、ママや周囲のご両親などにも産後鬱への正しい理解を促しましょう。